歯ぎしり防止(ナイトガード)

歯ぎしりとは

「歯ぎしり」は、睡眠中に「キリキリ」、「ギシギシ」と思わず鳥肌がたってしまう軋り音を発するものです。正常な人でも睡眠中に歯ぎしりをすることがあるようです。約15分程度ならば異常とは言えませんが、40分以上キリキリする場合は「歯ぎしり症」と思われます。「歯ぎしり」は、歯の摩耗・破折・動揺、知覚過敏などの原因となったり、さらに歯周病の悪化や顎関節部の痛みや、咀嚼筋の疲れによる開口障害や痛みの原因になりますので、長時間の強い歯ぎしりは注意が必要です。歯ぎしりには次の3つの種類があります。

名称 種類
グラインディング いわゆる一般的に「歯ぎしり」と呼ばれているものです。
上下の歯を横にこすり合わせるもので音が大きいのが特徴です。
タッピング あごを上下に、ものを食べるようにカチカチさせるものです。
クレンチング ほとんどの人が行っています。噛みしめたり、くいしばるもの。
音が出ないので、自覚症状がありません。

歯ぎしりの原因

  • ストレス性によるもので、ゆううつや不安など、心理的なものがあり、これは「歯ぎしり」や「食いしばり」をすることによってストレスを発散させていると考えられます。
  • 痛みがある歯が存在する場合。(こんな場合、歯ぎしりをする習性や本能がある。)
  • 高さが不適合な金属冠、硬過ぎる金属冠、歯の抜きっぱなしなどによる噛み合わせの狂いが生じた場合など。

歯ぎしりによる身体への影響

歯ぎしりは歯だけでなく身体全体への悪い影響もあります。

  • 歯が磨耗し削れる、折れる、割れる、しみるなどの症状が起きる
  • 歯周病、歯肉炎、歯槽膿漏などの歯の疾患の症状を早める
  • 顎関節から異音の発生、顎関節が痛む、開口障害などが起きる
  • 頭痛、顔面痛、肩こり、腕のしびれ、腰痛などが起きる

などの歯だけでなく、頭、肩、腰など身体全体に悪影響があるのがわかります。歯ぎしりだからといって軽く考えていると、身体への負担がつらくなります。上記の症状にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

歯ぎしりの軽減法

1.筋肉のリラクゼーション

親指以外の4本の指で、両頬を5分程度、比較的強い力で押したりまわしたり、コリをほぐすようにマッサージする。

2.就寝時の姿勢

枕が高かったり、枕の一部分に頭の上方を乗せて寝ると歯ぎしりしやすい。そこで、低い枕に首の付け根まで乗せ、顎を上に向けて寝る。

3.自己暗示法

寝る直前、布団の中で「唇は閉じて、歯は離す。」を声に出して20回唱えてから寝る。効果は1ヶ月以内に現れ、歯ぎしりの回数と強さは半分以上に減少する。

4.ナイトガード(健康保険適用)

歯ぎしり治療の際に使用されるマウスピースのことで、歯科医院で作成します。

ナイトガード
  • 歯ぎしりを防止するには、まずストレスの原因をなくすことが大事です。歯ぎしりを完全に治す方法はありませんが、緩和予防することは可能です。ナイトガードは、装着することにより、歯ぎしりによる症状を軽減し、とてもリラックスした睡眠がもたらされるようです。また、さほど歯ぎしりがない方でも、予防として使用している方もいます。
    歯ぎしりでお悩みの時は、ぜひご相談ください。

顎関節症治療

顎関節症とは

口の開閉、食べ物を噛む時に顎運動に伴う筋の痛みや違和感として自覚される咀嚼(そしゃく)筋(噛むための筋肉)群の疼痛(とうつう)性機能障害と、顎関節の雑音や関節痛を伴う可動制限を包括して顎関節症といいます。

    主症状
  • あごが痛い。
  • 口が大きく開けられない。(開口障害)
  • あごを動かすと音がする。(顎関節雑音)
  • 噛み合わせに違和感がある。
  • 口を完全に閉じることができない。
※20〜30歳代の女性に頻度が高いといわれています。

顎関節症の原因

1.内在性外傷

例えば、歯にかぶせた金属やプラスチックが錆びたりして、噛みあわせが悪くなり、発症することがあります。親知らず、むし歯、治療後または抜歯後放置した場合も同様に顎関節症の注意が必要です。

2.外来性外傷

異常咬合、過剰運動、異常習癖。 くいしばり、歯ぎしり、噛みすぎ、頬杖をつく、弄舌などがあります。

3.咀嚼筋の異常緊張

精神的、心因的なストレス、憂鬱、不安などが関与します。 咀嚼筋(噛むための筋肉)がイライラや不安など、ストレス性の原因で緊張し、顎関節に負担がかかります。

顎関節症の治療

主にプラスチック製のマウスピースタイプのスプリントと呼ばれる装置を使い、顎の安静を図ります。